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#070 残業上限「緩和」の声ひろがる!

2025年5月20日(火)配信


群馬県建設業協会が、会員企業のアンケート結果を受け
「建設業の残業上限の緩和」を求めていると以前書きましたが、
その声が広まっているようです。


3月14日の衆院国土交通委員会で、
元国土交通大臣の赤羽氏が群馬建協のアンケートを取り上げながら、


「建設業は出水期や雪、猛暑の制約と影響から1年フルに現場に出られる
 状況ではない、現場は実質7~10カ月でやりくりしないといけない」


などと説明し、
「悲痛な内容のアンケートだ」
「時間外労働せざるを得ない、上限規制を守るのは大変だ」
と述べています。


また、4月9日の自民党政策審議会では、全国建設業協会(全建)の
今井会長が業界団体ヒアリングに出席し、


「屋外作業の多い建設業は夏の猛暑日や積雪寒冷地での作業などを考慮
 すると時間外労働上限規制への対応が困難、働ける時にしっかり働き、
 休める時に十分に休む」


と述べ規制に対し柔軟な適用を呼び掛けています。


群馬建協のアンケートでは、
「月45時間超の残業は年6回以内」の緩和を求めたのは全体の約1/3
「複数月平均80時間以内」と「年720時間以内」のそれは全体の約1/4
という結果でした。


これ、見方によっては緩和を求める声がそこまで大きくないようにも思えますが、
元国土交通大臣や建設業界の団体会長が、
極めてオフィシャルな場でこういった発言をしているということは、
いろんな所で緩和を求める声が大きくなっているのでしょう。


周知の通り建設業は、
・気象条件に左右される「屋外作業」であって、
・毎回作業場所が変わる「現地生産」であり、
・生産性を上げにくい「一品受注生産」です。


群馬建協のアンケート結果にある、
・屋外作業で気象に左右され施工ができない日がある (78%)
・現場が遠隔地のときは通勤時間がかかる(47%)
・同じものがなく工事毎に内容や工期が変化し検討時間が必要(54%)


といった課題は、実は構造的な事に起因しているので変えようがないとも言えます。


で、だからこそ、
・技術者の業務が多岐にわたり業務量が多い(54%)
・工事書類や図面作成といった内業が多い(75%)
といったことになるのですが、これってもう何十年も前から言われていることですね。


要するに他産業のように、ICTやDX、クラウド化やデジタル化で
業務の効率化を図るのは難しいってことでしょう。


建設業の残業規制がスタートしてまだ1年ちょっとですが、
このあたりの本質的な事が元大臣や協会会長も(いろんな声をきいて)
改めて実感したというか理解したんでしょうね、
規制緩和の声はこれからしばらく続くでしょう。


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