GEN-VIRとは?
トヨタ自動車未来創生センターと大林組が共同開発した3次元施工シミュレータである。
建設業界が直面する労働力不足や作業員の高齢化、現場の安全確保といった課題に対し、生産性と安全性を両立させるための技術として開発された。
【GEN-VIRの由来】
・GEN (現場)
・VIR (Virtual Reality:仮想現実)
■GEN-VIRの基本機能
・3DCGによるバーチャル現場再現
3DCG技術を用いて工事現場全体を立体的に再現できるため、作業工程や人員配置、資機材の動線などを視覚的に把握しながら、綿密な作業計画の立案ができる。
・筋疲労分析機能
施工条件に応じて、作業員の実際の動きに近い姿勢を自動生成するため、関節角度などのデータを定量的に取得できる。そのため、負担が大きくかかる作業を特定し、機械化の導入や作業手順の改善に役立てることができる。
・工程の最適化支援機能
作業時間、作業員数、スキル、工程の順序などを条件として、工期の短縮や人員削減、無駄時間の最小化を図る工程を数理的に導出できる。作業員のスキルに応じた割り当てや、作業連続性の確保など、現場ニーズを反映した計画立案ができる。
・リスクの見える化
シミュレーション空間上で、作業中の災害リスク(転倒、墜落、接触など)や危険度、発生頻度を可視化できるため、事前の安全教育や危険予知活動に活用できる。
■GEN-VIRがもたらす効果
GEN-VIRは、現場の見える化と最適化を通じて、以下の効果をもたらす。
・工程や作業手順の検証
・健康リスクを低減しつつ、生産性を維持・向上させる現場づくり
・映像資料を用いた安全教育
・技能伝承の効率化
建設現場における働き方改革を支えるツールとして活用されており、東名リニューアル工事のモルタル打設作業では、待機時間の短縮と人員配置の最適化、安全管理に貢献した。
