くるみんとは?
次世代育成支援対策推進法に基づき、厚生労働大臣が子育て支援に積極的な企業を認定する制度である。
認定を受けた企業は「子育てサポート企業」として、求人広告や広報資料、商品パッケージ等に「くるみんマーク」を使用することができる。
■くるみん認定取得のメリット
1. 採用広報での差別化
子育て支援に取り組む企業としての姿勢が「見える化」され、求職者、特に若手・育児世代・女性層への訴求力が高まる。
2. 社員エンゲージメントの向上
制度の活用が促進される職場風土を醸成できることで、社員の満足度・定着率向上に寄与する。
3. 公共調達における加点評価
総合評価落札方式や企画競争等による公共調達において、くるみん認定企業(トライくるみん含む)は加点対象となる。
4. 中小企業向けの助成金の活用
中小企業(常時雇用300人以下)が、くるみん認定・プラチナくるみん認定を受けると、こども家庭庁所管「くるみん助成金(最大50万円)」の対象となる。
5. 賃上げ促進税制による税制優遇
くるみん認定(中小企業)またはプラチナくるみん認定(中堅・大企業)を取得している企業は、賃上げ促進税制において、法人税控除率の上乗せが適用される。
6. 日本政策金融公庫の低利融資制度の活用
従業員100人以下の企業やくるみん認定企業が、一定の要件を満たすと「働き方改革推進支援資金(企業活力強化貸付)」の低利融資を活用できる。
■くるみん認定の3つの種類とその違い
くるみん認定資格は3種類あり、いずれの認定も、一般事業主行動計画を策定・実行し、目標を達成していること、策定・変更した行動計画の周知を行っていることが認定基準に含まれている。
① トライくるみん
育児支援体制の整備を始めたばかりの企業向けの認定資格。マーク使用や公共調達の加点評価が可能であるが、くるみん助成金の対象外である。
認定基準には、男性の育児休業等取得率10%以上、法定時間外労働の各月平均45時間未満であることなどが定められている。
② くるみん
基本認定で、くるみんマークの使用、助成金、税制・融資優遇など複数の制度が利用可能となる。
認定基準には、男性の育児休業等取得率30%以上であり、当該割合を厚生労働省のウェブサイトで公表していることのほか、法定時間外労働の抑制のための基準などが定められている。
③ プラチナくるみん
くるみんまたはトライくるみん取得後、さらに高度な制度設計・運用を行った企業に与えられる上位認定である。
認定基準には、男性の育児休業取得率50%以上のほか、子どもが1歳になるまで継続して在籍している女性労働者の割合や、制度利用者へのキャリア支援などが定められている。
