仮設8D-BIMとは
建設分野において足場で活用されるBIMに安全の概念(8D)を加えた拡張モデルである。
BIMに「安全」という新たな情報軸(Dimension)を加えたものであり、法令・指針・災害事例などの安全衛生情報を3Dモデル上に紐づけることで、リスクの可視化と体系的な安全管理を可能にする。
■仮設8D-BIMの仕組み
仮設8D-BIMはリスクポイントと情報カテゴリーを組み合わせて構成される。
・リスクポイント
事故が発生しやすい箇所や注意が必要な部位のことである。
(例)脚部、作業床、外周部、壁つなぎ、最大積載荷重など。
・情報カテゴリー
各リスクポイントに対して必要となる安全情報の種類を区別するものである。
これにより、単なる注意喚起ではなく、根拠や対策までを含めた情報提供ができる。
【安全情報の種類】
LOD(詳細図)、仕様、法令、強度計算、組立・解体手順、災害事例、
ヒヤリハット事例、グッジョブ事例
・リスクポイント×情報のマトリクス化
危ない場所(リスクポイント)と何を知るべきか(情報カテゴリー)を掛け合わせて整理したマトリクス構造である。
これにより、必要な安全情報を網羅的に把握し、安全対策の抜け漏れを防ぐことができる。
仮設8D-BIMでは、国内で主流の「枠組足場(128項目)」と「手すり先行システム足場(208項目)」の2種類がパッケージ化されている。
■仮設8D-BIMの特徴
従来の安全管理は、図面と法令・基準書・事例集などを個別に確認する必要があったが、仮設8D-BIMではこれらの情報を統合し、3Dモデル上で一元的に確認できる。
(1)3Dによる直感的な安全理解
危険箇所が3Dモデル上で可視化されるため、「どこが危ないか」を直感的に把握できる。
(2)安全情報の一元化
法令・仕様・事例などの情報が統合されているため、複数の資料を確認する必要がない。
(3)経験に依存しない安全管理が可能
経験や勘に依存していた安全確認を、体系化された情報に基づいて行うことができる。
■まとめ
仮設8D-BIMはBIMに安全情報を統合し、リスクを可視化・体系化する新しい概念である。
従来は分散していた安全情報を3D上に集約することで、リスクポイントを把握しやすく、実務で活用しやすい形に進化させている。
今後は、KATETOSとの連携も進められる予定であり、さらに実態に即したリスク情報が得られるシステムへとアップデートが見込まれている。

