EPD(環境製品宣言)とは
製品やサービスの環境負荷をライフサイクル全体で定量的に評価し、第三者検証を経て公開する仕組みである。
日本語では「環境製品宣言」と呼ばれる。
【EPDの由来】
Environmental(環境)
Product(製品)
Declaration(宣言)
■EPDの仕組み
EPDは、国際規格ISO14025に準拠した「タイプⅢ環境ラベル」に位置づけられており、製品の環境情報を数値データとして開示する。
(1)評価対象
原材料調達から製造、輸送、使用、廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体
(2)評価内容
EPDでは、CO2排出量、資源消費や大気・水域への影響などの多領域の環境影響を、次の手法・基準によって評価する。
・LCA(ライフサイクルアセスメント)
製品のライフサイクル全体における環境負荷を定量的に評価する手法で、温室効果ガス排出量に加え、水使用量や資源枯渇、酸性化などの影響も評価する。
→ LCAについて詳しく知りたい方はこちら
・PCR(Product Category Rule:製品共通算定ルール)
製品カテゴリごとに定められた算定基準であり、この基準を用いることで、異なる企業の製品同士でも公平な比較が可能となる。
(3)検証
申請内容は、独立した第三者機関によって検証される。
第三者機関では、データの収集方法や算定プロセス、結果の妥当性が専門的にチェックされる。
(4)有効期限
EPDの有効期限は、一般的に5年である。
ただし、内容に変更があった場合は適宜更新が求められる。
■EPD取得のメリット
EPDの取得は、単なる環境情報の開示にとどまらず、企業経営に次のメリットをもたらす。
(1)環境配慮型製品としての差別化ができる
環境情報を開示して差別化を図ることは、製品の競争力の向上につながる。
(2)環境負荷の可視化と改善の促進
環境負荷が大きい工程を特定し、改善施策につなげることができる。
(3)信頼性の向上
EPDは統一された形式で環境情報を提供するため、取引先からの環境データ要求にも迅速に対応でき、信頼性の向上につながる。
(4)コスト削減
エネルギー使用量や原材料ロスの可視化により、製造プロセスの最適化や無駄の削減が可能となる。
■EPD取得の流れ
EPDの取得は、次のプロセスで進められる。
①対象製品に適用されるPCRを確認(該当するPCRが存在しない場合は策定が必要)
②ライフサイクル全体のデータを収集
③LCA手法により環境負荷を算定
④算定結果を基にEPDを作成し申請
⑤第三者機関による検証
⑥登録・公開
■まとめ
EPDとは、製品のライフサイクル全体における環境負荷を定量的に評価し、第三者検証を経て公開する国際的な仕組みである。
特に建設業界においては、EPDの取得によってCO2削減効果を客観的に示すことで、設計段階で環境負荷の低い建材や工法の選定が可能となる。
EPDの取得によって環境情報の透明化を図る動きは、今後ますます拡大していくと考えられる。

