小水力発電とは?
大規模ダムを必要とせず河川や農業用水路、上水道などの水の流れと落差を利用して電気をつくる発電方式である。
日本の制度上では最大出力1000kW以下のものを指す。
■小水力発電の代表的な設置方式と例
小水力は落差と流量が確保できる場所なら、幅広い施設で導入できる。
・水路式
川の水を一部バイパスし、水路・水圧管路で落差を確保する方式。
(例)山間部の一般河川
・直接設置式
既存の水路の落差工や既存の堰(せき)に水車と発電機を直接据える方式。
(例)農業用水路
・減圧設備代替式
減圧弁の代わりに水車を設置し、圧力を発電に利用する方式。
(例)上水道施設
・既存施設利用
既設施設の水を活用する方式。
(例)砂防ダム、治山ダム、下水処理施設、ダム維持放流、既設発電所の放流水、ビルの循環水、工業用水
■導入のメリットと注意点
(1)メリット
・安定・高効率な発電ができる
小水力発電は、設備利用率が約70%と高く、太陽光発電(12%程度)や風力発電(20%程度)と比較しても発電量が安定している。
・経済性に優れる
発電原価は 8〜25円/kWh と試算され、他の再生可能エネルギーに比べて安価である。
また、導入地点によって差はあるものの、土木工事が比較的簡易であり、機器の規格化が進めばさらなるコスト低減も期待できる。
・環境負荷が小さい
既存の水インフラを活用するため、ダム建設が不要であり、発電時にCO2排出しない点から周辺に与える影響が少ない。
・地域貢献
自治体、企業、個人など、多様な主体が参入でき、地域の仕事創出にもつながる。
(2)注意点
・地点ごとに経済性が異なる
地点特性によって工事費に大きな差ができるため、慎重に検討を進める必要がある。
・法的手続きが煩雑
取水する河川の区分(普通河川・二級河川・一級河川)によって、必要な手続きが異なる。
特に一級河川は河川法に基づく許可が必要であり、手続きの負担が大きい。
(普通河川は河川法の対象外であり、市町村条例に基づくため、手続きが比較的容易である。)
・既得水利権(許可水利権・慣行水利権)との調整
発電が既存の水利用に影響を与えないよう、関係者との調整や合意形成が不可欠である。
小水力発電は、環境負荷が少なく、安定的かつ高効率な発電ができる再生可能エネルギーである。
法的手続きや地点ごとのコスト差などの課題はあるが、制度改善や補助金の拡充により導入しやすさは年々向上している。
地域の水資源を活かし、持続可能な地域づくりに寄与するエネルギーとして、今後ますます重要性が高まると考えられる。

(出典:佐賀県HP 松隈小水力発電所資料)
