自然共生サイトとは?
民間企業や団体、自治体などによる生物多様性保全の取組区域や活動を、環境省が認定する制度である。
■自然共生サイトの創設・法制化の流れ
「ネイチャーポジティブ※1」の実現と「30by30目標※2」達成のために創設され、2023年度に任意制度として開始し、2025年度3月末時点で328か所が認定されている。
さらに、2025年4月「地域生物多様性増進法」施行により、自然共生サイトが法的に位置づけられた。
これにより、認定範囲が従来の「場所」から「活動」へと拡張された。
※1 ネイチャーポジティブとは:自然や生物多様性の損失を止め、回復軌道に乗せる取組。
※2 30by30目標とは:2030年までに陸域・海域の30%以上を効果的に保全すること。
■地域生物多様性増進法の仕組み
民間や市町村が作成した実施計画を、主務大臣(環境・農林水産・国土交通)が認定する。
(1)実施計画と実施主体
実施主体によって、作成する計画が異なる。
・増進活動実施計画:企業など
・連携増進活動実施計画:地域の多様な主体が連携(とりまとめは市町村)
(2)活動のタイプ
活動タイプには次の3種類がある。
・維持タイプ:現状で豊かな生物多様性を維持する
・回復タイプ:管理放棄地などで生態系を回復する
・創出タイプ:開発跡地などで新たな生態系を創出する

(出典:環境省 自然共生サイト 地域生物多様性増進活動の手引き )
■2025年度の認定状況
地域生物多様性増進法に基づく初の認定が、2025年9月に実施された。
【認定内容】
・増進活動実施計画:196か所(維持タイプ192か所、回復タイプ2か所、創出タイプ2か所)
・連携増進活動実施計画:5か所(いずれも維持タイプ)
自然共生サイトおよび地域生物多様性増進法の認定制度は、行政主導の保護だけではカバーできない「地域に根ざした保全」を推進する仕組みである。
民間企業が自然の保全に関わることは、ESG経営にも繋がる。
法制化を契機に、都市部の緑地・農村の里山・工場緑地など、「身近な自然」を活かした取組が今後さらに広がることが期待される。

