特定利用空港・港湾とは?
自衛隊や海上保安庁が平時から円滑に利用できるよう整備された空港および港湾のことである。
民生利用を主としつつ、防衛・警備・災害対応などの公的利用にも対応するインフラとして位置づけられている。
この制度は、防衛・災害対応時の迅速な活動を支え、国民の安全と地域の安心を高めることを目的としており、国土交通省と防衛省が連携して運用を進めている。
■創設の背景
これまで、防衛・警備・災害対応の目的で自衛隊が民間空港や港湾を利用する際、利用調整や施設使用の手続きが複雑で、対応に時間を要するという課題があった。
この課題に対し、迅速な対応ができる体制の整備と、平時から関係機関の連携を強化する目的で創設された。
■指定状況(2025年8月29日時点)
特定利用空港は14空港、特定利用港湾は26港湾が指定されている。
制度開始以来、段階的に指定数が拡大しており、今後も追加指定が予定されている。
(出典:内閣官房 公共インフラ整備の概要資料)
■特定利用空港・港湾の整備内容
特定利用空港・特定利用港湾では、交通結節点としての機能を維持・強化しながら、自衛隊・海上保安庁の訓練や災害対応活動が求められる。
そのため、それぞれの施設と周辺道路の整備が進められている。
(1)空港
・滑走路の延長やエプロン(駐機場)の整備、滑走路端安全区域(RESA)の確保
・耐震化工事や液状化対策
(2)港湾
・耐震強化岸壁の整備
・フェリー・RORO船※・クルーズ船の大型化に対応する受け入れ環境の整備
※ RORO船とは
Roll-on/Roll-off ship の略称で、トラックやトレーラーなどの車両が「自走して乗り込み(Roll-on)」「自走して降りる(Roll-off)」ことができる貨物専用の船のこと
(3)周辺道路
・自衛隊基地と港湾・空港のアクセスを改善するための道路ネットワークの整備
今後も政府は段階的に特定利用空港・港湾を追加し、全国的なネットワークの形成を進める方針である。
本制度は、防衛と民生利用を両立することで、防災・防衛・物流のレジリエンスを高め、地域社会の安全を支える重要な役割を担っている。

