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南海トラフ海底地震津波観測網(N-net)とは?

南海トラフ巨大地震に備え、地震や津波を迅速かつ高精度に把握するために整備された海底観測網である。

本システムは、国家的防災インフラとして約175億円を投じて構築され、これまで観測空白域だった高知沖〜日向灘の監視が可能となった。

 

■観測能力

リアルタイム・24時間連続観測体制を確立し、観測データは防災科研データセンターに集約され、気象庁に提供される。

 

【観測能力】

 地震:最大20秒早く直接検知可能

 津波:最大20分早く直接検知可能

 

■観測網構成
防災科研 南海トラフ海底地震津波観測網イメージ図.png

(出典:防災科研 南海トラフ海底地震津波観測網(N-net)イメージ図

 

(1)システム構成

N-netは「沖合システム」と「沿岸システム」の二系統で構成されている。

 

沖合システム:約900km

沿岸システム:約740km

合計ケーブル延長:約1,640km

 

両システムは室戸ジオパーク陸上局(高知県室戸市)と串間陸上局(宮崎県串間市)に陸揚げされ、リアルタイムでデータ伝送を行う。

 

(2)観測ノード(観測機器)

搭載機器:地震計(速度計・加速度計)、津波計(水圧計)

設置間隔:沖合システム・沿岸システムそれぞれに18点、約30km間隔で設置。

設置方法:漁業操業海域では溝を掘ってケーブル・機器を埋設。

     沿岸や浅海では、外装ケーブルで保護。

 

最大水深4,500mに対応しており、将来拡張用の分岐装置も設けられ、新たな観測装置の接続が可能である。

 

■今後の運用

2025年秋に防災科研が運用する「MOWLAS(陸海統合地震津波火山観測網)」に統合され、観測データが公開される。これにより、研究から実務まで幅広い分野での活用が進むと見込まれる。

 

N-netの整備により、緊急地震速報の精度向上、津波警報の迅速化と高度化、地震・津波メカニズムの解明などの効果が期待される。



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