SDVとは?
ソフトウェアによって機能や性能が定義されるクルマのことである。
ソフトウェアの更新によって性能を向上させたり、新しい機能の追加ができる特徴を持つ。
代表的な例としては、運転支援機能の精度向上や事故防止機能の追加、自動運転技術のアップデートなどが挙げられる。
【SDVの由来】
・Software :ソフトウェア
・Defined :定義
・Vehicle:車両
■先行事例と国内メーカーの動き
・米国:テスラ社は、OTA※を通じて自動運転支援やエンターテインメント機能を提供している。
・国内:トヨタ・日産・Hondaがソフトウェア戦略を共有し、各社とも販売後のアップデートを前提とした車づくりへシフトしつつある。
※OTA(Over The Air)とは
無線通信を利用して、ソフトウェアやデータを遠隔で更新・配信する仕組みのことである。
従来はディーラーに持ち込む必要があったアップデートを、自宅にいながら受けられる点が特徴である。
■SDVのメリット
SDVはユーザーだけでなく、社会やメーカーにもメリットをもたらす。
(1)ユーザーにとってのメリット
・購入後も車がアップデートされるため、長期にわたり最新機能を利用できる
・自分好みのアプリや機能を追加でき、パーソナライズが実現する
・車が陳腐化しにくく、資産価値を維持しやすい
(2)社会にとってのメリット
・交通量管理による渋滞緩和や事故防止に貢献する
・自動運転やシェアリングサービスを通じて移動効率を向上させる
・エンタメやモビリティサービスの拡張によって新しいビジネスを創出する
(3)メーカーにとってのメリット
・OTAを活用した有料アップデートやアプリ提供による継続収益が期待できる
・製品販売後も顧客との関係を維持できる長期的なビジネスモデルが構築できる
・新しい付加価値を提供することでブランド力を強化できる
このように、SDVの普及により、自動車を「完成品」として販売する時代から、「進化し続けるプロダクト」として提供する時代へと移行している。
ユーザーは長期的に価値を享受でき、メーカーは新たな収益源を生み出すことが可能となる。
今後、自動車産業がソフトウェア中心へとシフトしていく中で、SDVは次世代モビリティの中心的な概念になると考えられる。
