GenVital LTE(ゲンバイタルLTE)とは?
リストバンド型ウェアラブル端末とクラウドサービスを組み合わせ、心拍数・位置情報・暑さ指数を統合的に管理する体調管理システムである。
本製品は、株式会社大林組と株式会社GRIFFYが共同開発し、NETISにも登録されている。
(技術名称:現場作業員向け体調管理システム 登録番号:KT-240128-A)
2025年5月に提供が開始され、大手ゼネコンやプラント系企業を中心に普及が進み、7月時点で出荷数1,500台を突破している。
■特徴と機能
本システムを構成する3つの要素(リストバンド・クラウドサービス・体調管理アルゴリズム)の特徴とその他の標準機能は次の通りである。
(1)リストバンド(mSafety)の機能
腕時計型の端末で、20秒ごとに心拍数を測定し、そのデータと位置情報をクラウドサービスに送信する。
端末画面には、体調判定の結果や心拍数が表示されるため、作業員本人も自身の状態を確認できる。
【仕様】
メーカー:ソニーネットワークコミュニケーションズ(株)
通信:LTE通信によりクラウドへ直接データ送信可能
重量:約30g
防水防塵性能:IP68
バッテリー駆動時間:約12時間
(2)クラウドサービス「GRIFFY wear.」
リストバンドから受信したデータ(作業員の心拍数・位置情報・暑さ指数)をもとに、リアルタイムで体調・位置情報を把握できる。データは1分間隔で自動更新される。
高リスク状態にある作業員がいると、管理者に氏名入りの警報メールが送信されるため、迅速な対応を可能にする。
(3)体調管理アルゴリズム
大林組が開発したもので、作業員の状態を「危険」「警戒」「注意」「正常」の4区分で表示する。
さらに、「注意」以上のレベルが24時間以内で合計1時間に達すると「要緊急対応」として警告を出す仕様となっている。
(4)その他の標準機能
工区や現場単位でのグループ管理に対応しており、作業員の体調データ・心拍数・暑さ指数をまとめた日報や月報をCSV形式で出力できる。
近年、建設現場における熱中症リスクが深刻化している。
2025年6月には改正労働安全衛生規則が施行され、熱中症対策は事業者の義務となった。
ウェアラブルデバイスを活用する本システムの導入により、作業員の体調をリアルタイムで把握し、安全確保を迅速に実現できることが期待される。
