省人化建設機械とは?
建設現場における労働力不足の解消や作業効率化を目的として開発された機械である。
国土交通省が定める「ICT建設機械等認定制度」に基づき認定され、作業負担を軽減しながら高精度な施工を可能にする。
本認定を受けた機械は、施工計画や公共工事の発注時に推奨されるため、発注者・施工者双方にとって採用しやすい環境となっており、現場への導入が加速している。
■制度背景
2024年4月に公表された「i-Construction2.0」では、2040年度までに少なくとも3割の省人化を達成する方針が示された。
省人化建設機械は、この目標を実現するための中核技術と位置づけられている。
■省人化建設機械の特徴
(1)種類
土工の主要工程で省人化効果の大きい機械が認定を受けている。
・掘削・法面整形作業用機械
・敷均し作業用機械
(2)搭載機能
オペレーターが少ない動作で複雑な地形に対応できるよう、次の機能を搭載する。
・ローテーション機能:作業装置を旋回させる機能
・チルト機能:作業装置を傾斜させる機能
・作業装置取り替え機能:操作室から取り替えが可能
(3)技術支援体制
供給者または使用者が地域ごとに技術支援を提供できる体制を整えている。
このように省人化建設機械は、建設業界が直面する人手不足・生産性低下の課題を解決する鍵である。
今後も技術開発と制度整備が進むことで、現場の安全性・効率性が一層高まり、2040年の「省人化3割」の目標達成に近づくことが期待される。
