ゼロエミッション促進モデル工事とは?
非化石燃料を使用する建設機械を用いて工事を行い、現場から排出されるCO2量を削減する取り組みである。
本取り組みは、国土交通省が策定した「国土交通省土木工事の脱炭素アクションプラン」に沿ったモデル事業の一つである。
■ゼロエミッション促進モデル工事の概要
(1)対象となる工事
国土交通省の直轄土木工事のうち、ICT活用工事を中心に指定される。
(2)非化石燃料を用いた機械の使用範囲
施工現場内
(現場までの輸送時に使用する車両の燃料は対象外)
(3)代替措置
非化石燃料の代わりに、電動式のGX建機認定型式を利用することも認められている。
(4)コスト負担
非化石燃料は現状、調達や供給の面でコストが高いため、ゼロエミッション促進モデル工事では、次世代燃料の導入に伴うコスト増分を発注者が負担する。
■非化石燃料の要件と種類
(1)要件
使用する非化石燃料は、建機メーカー推奨・認定を受けたものと定められている。
また、軽油に代わる非化石燃料が対象のため、天然ガス由来の燃料の使用は対象外となる。
(2)種類
・FAME(Fatty Acid Methyl Ester:脂肪酸メチルエステル)
廃食油を処理して製造される。国内では従来より、バイオディーゼル燃料(BDF)として利用されている。
長期保管は不可で、価格は比較的安価である。
・HVO(水素化処理植物油)
植物油などを水素化分解して製造される。近年、欧州を中心に利用が拡大している。
軽油とほぼ同程度の性状を有し、長期保管が可能であるが、価格はFAMEより高い。
・合成燃料
CO2と水素を合成して製造される。
これらのほかに、軽油との混合(軽油+非化石燃料)も認められており、その場合は非化石燃料を5%を超える割合で混合することが条件とされている。
