カーボンクレジットとは?
温室効果ガスの排出削減や除去による成果を「クレジット(排出権)」として認証し、取引できる仕組みである。
クレジットは、排出削減・除去活動を行った事業者が、その成果を第三者機関に申請し、認証を得ることで発行される。発行単位は「1クレジット=CO2削減・除去量1トン」である。
この仕組みを利用し、他社が削減した分を購入することで自社の排出量を相殺できる。
■カーボンクレジットの種類
発行主体によって次のように分類され、用途や価格もさまざまである。
(1)国際協定に基づくクレジット
発行者は、政府や国際機関で、代表例には、CDMとJCMがある。
・CDM(クリーン開発メカニズム):先進国が途上国で削減プロジェクトを行い、成果を双方が活用する仕組み。
・JCM(二国間クレジット):日本と協定国で削減実績を分け合う。
(2)国内制度
政府や地方公共団体が発行者となる。代表例にはJ-クレジットがある。
・J-クレジット制度:日本政府が運営し、省エネ・再エネ・森林管理などの活動を認証する。
(3)民間事業者によるボランタリークレジット
発行者は民間企業や団体であり、さまざまな種類がある。
代表例:VCS(Verified Carbon Standard)、Gold Standard 他
■カーボンクレジット活用のメリット
カーボンクレジットの活用は、単なる排出量削減の証明にとどまらず、さまざまなメリットが得られる。
・売却による収益化
・CSR活動や環境貢献のアピールになる
・企業のブランド価値の向上
・温室効果ガス排出量の報告や、調整後排出量の報告への活用
カーボンクレジットの取引は、企業同士で直接取引する相対取引だけでなく、東京証券取引所が運営する「カーボン・クレジット市場」を通じても行える。
市場を活用することで、取引の透明性や流動性が向上し、より安心して売買できる環境が整っている。
