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グリーンアンモニアとは?

再生可能エネルギー(太陽光や風力)で発電した電気を使い、水を電気分解して得られた水素に空気から分離した窒素を反応させて合成されるアンモニアである。

化石燃料を一切使用せずに製造できるため、製造段階におけるCO2の排出がない。

 

■グリーンアンモニアが注目される背景

CO2排出量を大幅に抑制できるうえ、既存の設備やインフラを活用できる点が大きな特長である。

そのため、脱炭素化の実現と再生可能エネルギーの活用を進める手段として注目されている。

 

【グリーンアンモニアの特長】

・CO2を排出せずに製造でき、環境負荷が小さい。

・常温常圧で液化しやすく、既存の輸送網や設備を活用できる。

・必要に応じて水素を取り出せるため、水素の貯蔵・運搬媒体(キャリア)として利用できる。

 

これらの特長を背景に、グリーンアンモニアは火力発電分野や船舶燃料、水素流通などの分野で開発が進められている。



■グリーンアンモニアの製造コスト

アンモニアには、製造方法の違いによってグリーンアンモニア・グレーアンモニア・ブルーアンモニアの3種類がある。
それぞれの製造方法と製造コストは次のとおりである。

 

(1)グレーアンモニアとブルーアンモニア

・グレーアンモニア
従来の方法で製造されるアンモニアである。
製造には化石燃料(天然ガスなど)から水素を取り出し、空気中の窒素と反応させて合成するハーバー・ボッシュ法(HB法)を用いる。
この方法はエネルギー効率に優れるが、製造過程で多量のCO2を排出するという課題がある。

 

・ブルーアンモニア

化石燃料を原料とする点ではグレーアンモニアと共通するが、水素製造過程で発生するCO₂を回収・貯留(CCS)または再利用(CCU)する技術によって抑制する。グレーアンモニアと比較して、CO2排出量が大幅に少ない。

 

(2)コスト比較

製造コストについて、グレーアンモニアを基準とした場合の相対的なコストは次のとおりと推定されている。

・ブルーアンモニア:1.2~1.3倍程度

・グリーンアンモニア:3~4倍程度

 

ブルーアンモニアは、CCS設備の追加によるコスト増はあるものの、既存のプロセスを活用できるため大幅なコスト増にはならない。
対照的に、グリーンアンモニアは、水電解装置の導入や再生可能エネルギーの活用が不可欠であるため、現時点ではコストが高くなる傾向にある。

グリーンアンモニアの社会実装には、電力コストの低下や水電解の効率向上、プラント設計の最適化といった技術革新が求められている。





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