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優良緑地確保計画認定制度(TSUNAG)とは?

都市緑地法に基づき、民間事業者や自治体等の緑地確保の取組を、国土交通大臣が「緑地の量」と「質」の両面から評価・認定する制度である。

2024年度にTSUNAG認定を取得した事例には、次のようなものがある。
・麻布台ヒルズ(森ビル)
・東京ポートシティ竹芝オフィスタワー(東急不動産)
・グラングリーン大阪(うめきた2期)

これらのプロジェクトでは、緑地が単なる「装飾」ではなく、都市機能の一部として設計されている点が評価されている。

■認定対象と申請の基本要件
・対象事業
 新たに緑地を創出する事業、既存の緑地の質を高める取組

・対象主体
 地権者、地権者の同意を得て事業を行う者、自治体、複数者による共同体(グループ)

・対象区域
 都市計画区域等内の緑地を含む敷地全体で、以下の2つの条件を満たしていること。
 ①緑地面積が1,000㎡以上であること
 ②敷地面積に占める緑地割合が10%以上であること

・認定の有効期間と報告、更新について
 原則5年間で、毎年度の取組状況を国へ報告しなければならない。
 更新する場合は、再度現行の基準で審査を受ける必要がある。

■TSUNAG認定取得のメリットについて
認定を取得すると、資金的支援を受けられる他、本制度は国際的なサステナビリティ評価基準とも連携しているため、社会的信頼を得やすくなり、ステークホルダーからの評価も向上する。

1.利用できる資金的支援
・優良緑地確保支援事業(都市開発資金)での無利子貸付
・グリーンインフラ活用型都市構築支援事業から支援が受けられる
・緑地の整備を含む市街地再開発事業等における補助率UPが可能(防災・省エネまちづくり緊急促進事業)

2.サステナビリティ評価基準との連携
・GRESB(グレスブ)との連携
GRESBは、世界中の不動産やインフラ事業者を対象に、ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みを評価する国際的な指標である。TSUNAG認定は2025年2月よりGRESBと連携している。
そのため、TSUNAG認定を受けた緑地は、GRESBの「グリーンビル認証」として評価される。

・TNFD(自然関連財務情報開示)への対応
TNFDは、企業が自然環境とどのように関わっているかを財務情報として開示する、国際的な枠組みである。TSUNAG認定は、2025年1月よりTNFDの「建設・不動産向けガイドライン」に加わった。
そのため、TSUNAG認定を受けると、認定事業者の自然配慮への取組として正式に開示資料へ記載できる。

・温室効果ガスインベントリでの取り扱い
国が国連気候変動枠組条約事務局へ行っている報告(温室効果ガスインベントリ)において、TSUNAG認定を受けた緑地は、国の温室効果ガス吸収源としてカウントされる。


このように本制度は、サステナビリティの取り組みを「見える化」し、ESG評価を高めるチャンスとなる。行政、民間、地域が一体となり、持続可能なまちづくりを進めるための実効性ある制度として、今後さらに活用が進むことが期待される。


  

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