株式会社ライズ

  1. HOME
  2.  > 
  3. 建設業界用語
  4.  > 
  5. 自動物流道路とは?
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

自動物流道路とは?

道路空間に設けた専用スペースにおいて、クリーンエネルギーで動く無人の輸送車により貨物を運ぶ新しい物流システムである。

■自動物流道路が必要とされる背景
日本の物流業界が直面している課題には、次のようなものがある。

・働き方改革関連法の施行による人手不足
・EC市場の拡大による荷物の小口化・多頻度配送の常態化
・脱炭素社会の実現に向けた、CO2排出量の削減
・地震や豪雨といった、自然災害時における物流のレジリエンス強化

こうした複合的な社会課題を解決する手段として自動物流道路が注目されている。

■自動物流道路の仕組みと技術的特徴
・専用レーンや専用空間での無人自動輸送
一般の交通から分離された専用空間で、無人の自動運転車両によって24時間の貨物の積み込み・輸送・荷下ろしが可能となるため、小口・多頻度輸送に対応できる。

・バッファリング機能による保管と需要平準化
貨物を一時的に滞留させる(バッファリング機能)ことで、配送量を平準化する。

・他の輸送方法との連携
鉄道や船舶、飛行機など、他の輸送方法と連携して小口・多頻度輸送に対応するため、物流の効率化と環境負荷の低減が期待できる。

・V2X通信の活用
車両間の通信や車両とインフラの通信(V2X通信)を活用した隊列走行が可能となり、燃費の向上や渋滞の緩和によって温室効果ガス排出量の削減に寄与する。

・交通管理システムによるリアルタイム監視と遠隔制御
交通状況の共有や急停止情報の伝達が可能となり、事故防止のための遠隔操作が可能となる。

■今後の展望
新東名高速の建設中の区間(新秦野〜新御殿場間)において社会実験が計画されており、2030年代前半の実用化を目指している。
その後、物流量の多い東京~大阪間の長距離幹線での展開を視野に入れている。

このように、自動物流道路は単なる輸送手段の刷新にとどまらず、インフラ全体の付加価値を高める国家的プロジェクトとして位置づけられており、今後の展開が期待されている。


  

施工管理技士2.jpg
(出典:国土交通省 自動物流道路のあり方 中間とりまとめ(概要)

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加