団体等検定制度とは?
2024年3月、職業能力開発促進法に基づいて新設された職業能力検定制度の一つである。
企業や事業主団体等が、労働者の職業能力に関する知識や技能を検定する事業のうち、一定の基準を満たすものを厚生労働大臣が認定する制度である。
本制度は、外部労働市場で通用するスキル証明を促進し、産業界全体の技能振興を目的に創設された。
■団体等検定制度の特徴
・受験対象者
雇用関係にある労働者だけでなく、求職者、学生、フリーランスなど雇用関係にない者も含まれる。
・外部労働市場への影響
合格者が採用や処遇決定時に考慮されることが期待される検定である。
・地域特性・成長分野への対応
全国統一評価が困難な職種や、業界標準的な技能が確立していない成長分野に対応した検定内容となっている。
・検定方法
検定は学科試験と実技試験の両方で構成されている。
・技能検定(職業能力開発促進法第44条)との関係
団体等検定は、技能検定を補完する役割を果たすものであり、検定内容が技能検定と競合する場合は認定を受けることができない。
■団体等検定の認定を受けた団体(2025年3月11日時点)
現在、3団体、3職種が認定を受けている。
いずれの検定も、実務に直結した実技を重視した内容で構成されている。
・公益社団法人日本看護家政紹介事業協会
対象職種:家政サービス
試験内容:学科試験、実技試験
関連ページ:https://kanka.or.jp/kaseishi
・陸上貨物運送事業労働災害防止協会
対象職種:フォークリフト荷役
試験内容:学科試験、実技試験(①点検、②運転)
関連ページ:https://rikusai.or.jp/event_schedule/forklift_niyaku/
・一般社団法人日本建設躯体工事業団体連合会
対象職種:コンクリート打込み・締固め工
試験内容:学科試験(50問)、実技試験(①判断試験、②実地試験、③口述試験)
関連ページ:https://nihonkutai.or.jp/concrete_certification/
団体等検定制度は、個別企業の枠を超えた社会的な職業能力評価を可能とする新たな仕組みである。
企業にとっては採用・人材育成の強力なツールとなり、受験者にとってはキャリアアップを支援する手段となる。
本制度の積極的な活用が、労働市場における技能価値の可視化と、産業界全体の人材力強化に貢献することが期待される。
