優先除灰道路とは?
火山灰の降灰時に最優先で除灰作業を行う道路のことである。
■優先除灰道路指定の背景
日本は火山大国であり、現代社会に大規模降灰が発生すると、首都圏で甚大な影響が想定される。
【降灰による影響】
・電力・水道・道路・鉄道などライフラインに深刻な被害が出る恐れがある
・災害廃棄物の大量発生と処分が必要になる
・火山灰が風や雨により再拡散・固化の恐れがある
これらに対応するため、大規模降灰時の対策の1つとして、優先除灰道路の指定が行われた。
■優先除灰道路の役割とルート選定基準
優先除灰道路は、都市機能を維持するために設定され、その役割と選定基準は次のとおりである。
(1)役割
応急対策を実施する拠点へのルートを確保する。
指定拠点は、一次拠点と二次拠点の2種類である。
・一次拠点とは
応急対策・輸送路管理の中心となる施設(例:行政機関、消防、自衛隊など)
・二次拠点とは
住民の生活維持に関わる施設(病院、ライフライン事業者など)
(2)ルート選定基準
一次・二次拠点を結ぶ道路を優先除灰道路として指定する。
■優先除灰道路で行われる対策
優先除灰道路の上下各1車線の通行帯の確保を目指し、資機材(ショベルカーやホイールローダー、散水車など)を使用して除灰作業が行われる。
このように大規模降灰に対して、地域防災計画に基づいた対策が進められている。
