浮体式洋上風力建設システム技術研究組合(FLOWCON)とは?
浮体式洋上風力発電の合理的な建設システムを確立するために設立された研究機関である。
【FLOWCONの由来】
・Floating(浮遊、浮いている)
・Offshore(沖合)
・Wind(風力)
・Construction System(建設システム)
・Technology Research Association(技術研究組合)
■設立の背景
日本の排他的経済水域(EEZ)は世界第6位の面積を誇るが、遠浅の海域が少なく、着床式発電設備の設置可能な面積には限りがある。そのため、浮体式の設備を合理的に大量施工できるシステムが確立されれば、洋上風力発電の導入拡大につながると期待されている。
また、政府は洋上風力での発電目標量を
・2030年に10GW(ギガワット)
・2040年までに30~45GW
としており、この目標を達成するためには、浮体式風力発電設備の設置を合理的に進める技術開発が急務となっている。
こうした背景から、本研究機関は2025年1月20日に設立された。
■FLOWCONの組織体制
組合員7者と賛助会員3者で構成されており、運営委員会のアドバイザーとして3者が参画予定である。このほか、浮体式洋上風力技術研究組合(FLOWRA)との技術交流も行う。
【構成員】
・当初組合員
五洋建設、東亜建設工業、東洋建設、若築建設、日鉄エンジニアリング、IHI運搬機械、住友重機械工業
・賛助会員
カナデビア、ジャパン マリンユナイテッド、JFEエンジニアリング
【アドバイザー】
・(一財)沿岸技術研究センター
・(国研)海上・港湾・航空技術研究所 港湾航空技術研究所
・(一財)港湾空港総合技術センター
■研究内容
研究は、3つのワーキンググループ(WP)からなり、構成員はそれぞれの専門性を活かすかたちで、全てのWPに参画する。
【WP1】 浮体式洋上風力発電の合理的な建設システムに関する研究
【WP2】 海上作業基地に必要な技術開発
【WP3】 海上施工に関わる気象海象予測システムの開発
まずは、浮体への風車搭載作業に焦点を当てて、基地港湾での作業と海上作業基地での作業について研究を進める予定である。
