2025年4月23日(水)配信
建設業は、文書を交わさない「口頭契約」が未だ多いようですね。
軽微で急ぎなものはともかく、
そこそこ金額が大きくなっても口頭契約で済ませるさまは、
他業界から見れば違和感しかないでしょう。
今回は、建設工事の請負契約をめぐるトラブルの相談窓口である
「建設業取引適正化センター」の公開資料から、
口頭契約でおきたトラブル事例について紹介したいと思います。
ちなみにこのセンターは
「工事の請負契約をめぐるトラブル」全般について相談を受け付けていますが、
web公開されたトラブル事例のうち30%が「口頭契約でのトラブル」です。
公開されている事例は、
様々なトラブルをなるべく偏りがないようにしてるでしょうから、
口頭契約のトラブルは実際にはもっと多いでしょうね。
今回は4つの口頭トラブル(相談事例)を紹介したいと思います。
1つ目は「知らぬ間に契約者が変ってる」事例です。
▶相談事例(A)
マンションの内装工事を口頭契約(見積書のみ)に基づき元請として受注・施工したが、工事完成後、施主から第三者である別の建設業者に契約書に基づき施工させ代金を既に支払ったと一方的に通知された。代金請求するならその第三者に請求してくれの一点張りで、代金約330万円を支払ってくれない。今後どのように対応したらよいか相談したい。
すごいですね(笑)
一般人には意味が分からない位のトラブルです。
文書を交わさないとこうなる事もあるんだよって、まさに典型例ですね。
2つ目は「工事が終わったあとの値引き」の事例です。
▶相談事例(B)
マンションの内装工事を一次下請けとして口頭契約で160万円で請負い施工したが、支払請求を出したところ理由もなく120万円に値引きしてきたのでどうしたらいいか相談したい。
「結構コストかかっちゃったから、これだけしか払えないよ」って
まあ、なんというか昔からよくあるパターンですね。
3つ目は「口頭のうえ与信もとってない」パターンです。
▶相談事例(C)
ビルの足場組立て工事を口頭契約に基づき2次下請で施工したが、代金約40万円が不払いになっている。相手方1次に請求書を出したが戻ってきたが、その住所がレンタルオフィスで住所不明の状態であり、今後どのように対応したらよいか相談したい。
2次で足場で40万だし、だから口頭?
それにしても相手方をよく知らないで工事するのは口頭契約以前の問題かも。
最後は「高額でも口頭契約」の事例です。
▶相談事例(D)
ビルの冷媒配管工事を口頭契約に基づき3次下請で施工したが、相手方2次の見積条件指示が不適切で、2次が予定していた工事量(1100万円程度)よりも過大な量の工事(2800万円程度)を施工した。これまでに900万円の支払いを受けたが残代金1800万円が不払いになっており、今後どのように対応したらよいか相談したい。
1000万以上を口頭契約し最終的にはその倍の額になったって、これもすごいですね。
まあでもこの業界は、以前はもっともっと大きな額を口頭契約してましたが・・・。
というわけで、
今回は建設業の「口頭契約におけるトラブル事例」を紹介しましたが、
特に工事途中なんてまだまだ口頭契約多いでしょうね。
見積り出して承認とかそんな悠長にやってられないでしょうから。
工事の口頭契約、
少なくなったと言っても建設業の構造的な問題とも言えますから完全に無くすのは難しいですね。