2025年8月7日(木)配信
全国建設業協会(全建)が会員企業に行ったアンケート(2024年度生産性向上の取り組みに関するアンケート/1958社が回答)で、BIM/CIM活用工事の受注実績を調べたところ、85・9%が「受注していない」と回答したそうです。
全建は全国の元請け中小企業の団体ってイメージですが、まあ、その大半の会社がBIM/CIM工事は「やってない」ってことですね。
アンケートは、BIM(建築)CIM(土木)で分かれてますが、その結果はおおよそ同じものです。
まず、活用状況についてですが以下の通りとなっています。
CIM(土木)
▶活用実績がある:14・7%
▶今後活用したい、または準備を進めている:19・8%
▶聞いたことはあるが内容を知らない:23・2%
▶活用したいが取り組めない:16・0%
▶活用する予定なし:25・7%
BIM(建築)
▶活用実績がある:3・5%
▶今後活用したい:11・0%
▶聞いたことはあるが内容を知らない:18・8%
▶活用したいが取り組めない:11・6%
▶活用する予定なし:54・6%
実績が、14・7%と3・5%って、めちゃ低いですね。更にCIM(土木)は役所が強制しながらこの数字です。中小企業のBIM/CIMはほぼ浸透していないと言えますね。
また、BIM/CIMの「活用実績がある」「今後活用したい」と回答した会社に、その活用は何を想定しているのかと聞いたところ(複数回答)、
CIMは、
▶発注者や施工関係者の合意形成:64・0%
▶施工ステップの可視化による合意形成の円滑化:61・8%
▶工事にかかわる管理データの一元管理:48・4%
BIMは、
▶発注者や施工関係者間の合意形成:63・5%
▶施工計画への活用:62・1%
▶施工図作成:60・7%
となってます。
どちらも三分の二は「合意形成」なので、要するに立体化(3次元化)した絵を見て打合せしましょう、って活用が殆どってことです。
合意形成以外に、
「工事にかかわる管理データの一元管理」
「施工計画への活用」
「施工図作成」
といった回答もありますが、これはおそらくBIM/CIMを「今後活用したい」と言ってる企業のものでしょうから、まあいってみれば理想を言ってるに過ぎないのかも知れません。
で、じゃあBIM/CIMがこれだけ活用されてないのは何が課題かと聞いたところ、
▶BIM/CIMに精通した技術者の採用・育成が必要:65・9%
▶ハード・ソフトウエアが高額:49・8%
との回答なので「人材面」と「コスト面」の課題が大きいってことでしょう。
BIM/CIMは、よくCADと比較されますが明らかにCADより難しいですね、だから人材面が課題として挙がってきます。簡単で取っつきやすいものなら、人材なんて話は出てこないでしょうから。
「BIM元年」といわれる2009年から、かれこれ15年以上経ちますが、未だこの状況だとBIM/CIMって本当に浸透するのかって思っちゃいますね。