パラメトリック設計とは
寸法や数量などの変数(パラメータ)と、要素同士の関係・ルールを設定し、値の変更に応じて形状や配置を連動させる設計手法である。
本手法は、建物の高さや部材の寸法、配置間隔などをパラメータとして設定する。
値を変更すると、あらかじめ設定したルールに沿って関連部分が更新されるため、設計変更への対応や複数案の比較検討に役立つ。
【例】
・窓を壁の中央に配置するルールを設定した場合
壁の幅を変更すると、窓が中央に配置されるように位置も更新される。
・複数の部材を等間隔に並べるルールを設定した場合
配置する範囲や部材数の変更に合わせて、各部材の位置を調整できる。
このように、一つひとつの形状や位置を個別に修正する作業を減らすことができる。
ただし、関連部分を連動させるには、その関係をモデルに設定しておく必要がある。
土木分野では、ボックスカルバートや擁壁、橋台、橋脚などの3次元モデルの作成・修正に活用できる。
■パラメトリック設計のメリットと注意点
(1)メリット
・モデルの作成・修正にかかる作業時間の短縮が期待できる
・入力されたパラメータを用いて寸法照査を簡略化できる
・設計変更に伴う修正作業が簡素化される
・複数案を比較検討しやすい
(2)注意点
・ソフトウェアごとにパラメータの設定方法が異なるため、別のソフトウェアに引き継げない場合がある。
・設定したルールが適切か、変更後のモデルが意図した形状になっているかを確認する必要がある。
ソフトウェア間のデータ連携の課題に対し、国土交通省の2026年度研究開発計画※では、ソフトウェア間で共通利用するパラメータの標準仕様や、データを受け渡す中間ファイルの整備が掲げられている。
また、中間ファイルを用いた自動照査システムの開発を試行し、必要な機能要件を定義することも計画されている。
(※参考:内閣府 土木設計データのパラメータ化および設計照査のオートメーション化に関する技術開発)
■まとめ
パラメトリック設計は、パラメータとルールを用いて形状を連動させ、モデルの作成・修正を効率化する手法である。
土木設計での活用を広げるため、ソフトウェア間のデータ連携の標準化や、設計照査の自動化に向けた検討・開発が進められている。

