#005 やっぱり、CCUSは進んでいない…。

カテゴリ
建設企業向けメールマガジン 
タグ

株式会社ライズ

B!
2022年8月16日(金)配信


ここ数年、国土交通省や大手ゼネコンが積極的に推し進めている
建設キャリアアップシステム(CCUS)ですが、どの程度進捗しているのでしょうか。


国交省が公表した資料によれば、2022年5月末時点で

・技能者(職人)の登録数は90.4万人
・事業者(工事会社)の登録数は17.6万社

となっています。


※建設キャリアアップシステムの利用状況(2022年5月末)国土交通省
https://www.rise-jms.jp/media/construction/a859


登録は順調に進んでいるというのが国交省側の見立てですが、
技能者は全国に309万人いるので、割合にすれば3割弱。


事業者も、建設業の許可業者は全国に47万社あるので
単純な割合でみれば3分の1程度です。
(建設業者は47万社すべてがアクティブな訳ではないですが。)


CCUSは、本格的にスタートしたのが2019年4月ですから
現在まで3年半ほどが経過しています。
それで登録者数が人・会社とも3割位ですから進捗がいいと言えるのかどうか。


国交省とは別に、こんな資料があります。


今年(2022年)3⽉に公表された、
主に下請工事会社で構成される建専連(建設産業専⾨団体連合会)が
会員企業に行ったアンケートでは以下のような結果が出ています。


・現場にCCUSカードリーダーが設置されていた事は一度もない、
 と回答した企業が370社近く、全体の4割以上を占めている

・CCUS登録完了は、社員規模300人以上の会社ではが9割以上だが、
 5~9人で6割超、1~4人で5割超など小規模になるほど少ない

・9人以下の会社では、そもそもCCUSを知らない、登録するつもりはない、
 など申請自体に至ってない会社が3分の1以上ある


※CCUSの登録・利用状況(建設産業専⾨団体連合会資料より)
https://www.rise-jms.jp/media/construction/a862


CCUSは、いくらどうこう言っても下請け工事会社に浸透しないと
まったく意味のない制度です。
このデータを見る限り、CCUSの普及はまだまだ先の気がします。


【すべての現場にカードリーダーありません!CCUS終ってる!?】
https://www.youtube.com/watch?v=drFYRRYtJxg


建設企業向け ✉️ メールマガジンは、
建設の時事ネタを中心にニッチな情報をお届けしています。

以下フォームよりお申し込みいただければ、
ほぼ隔週で最新のメールマガジンをお送りします。

▶ https://www.rise-jms.jp/mailmagazine_form.html

関連記事

#071 若者を採用するならエージェント!

2025年6月3日(火)配信いま、就職や転職をする人の多くが「エージェント」を使っていることを知ってますか?まずはこちらのデータをご覧ください。▶仕事探しはエージェントの時代https://www.r...

#070 残業上限「緩和」の声ひろがる!

2025年5月20日(火)配信群馬県建設業協会が、会員企業のアンケート結果を受け「建設業の残業上限の緩和」を求めていると以前書きましたが、その声が広まっているようです。3月14日の衆院国土交通委員会で...

#069 設計変更、大学教授が事前チェック!

2025年5月8日(木)配信国土交通省が、工事の設計変更について「第三者」を入れてチェックする事にしたみたいですね。「設計変更過程の透明性を確保するため、変更前に国交省と業者以外の第三者に適正性をチェ...

#068 建設業の「口頭契約」トラブル多いです!

2025年4月23日(水)配信建設業は、文書を交わさない「口頭契約」が未だ多いようですね。軽微で急ぎなものはともかく、そこそこ金額が大きくなっても口頭契約で済ませるさまは、他業界から見れば違和感しかな...

#067 職人の賃金は国が確認します!

2025年4月9日(水)配信国土交通省が、建設業で働く職人の賃金を直接確認する作業を始めるみたいですね。国交省は職人の賃金の「見える化」をするために、今年度(2025年度)各地方整備局で試行工事を始め...

#066 職人の退職金1000万になります。

2025年3月18日(火)配信建設業の職人は、「現場で肉体労働をする割に待遇が良くないので若者に敬遠されがち」と言われてきました。若者の入職が少ないから高齢化と超人手不足がどんどん進んでしまう、国や業...