株式会社ライズ

Column「帰属意識」について

2021.9.30

自社のエンジニアが客先常駐している場合に薄れがちな
『帰属意識』について深堀りしてみました。

担当 菅原綾子

1.そもそもどうして企業はエンジニアに『帰属意識』をもってもらいたいのか?

その答えの根幹にあるのは、人材は企業にとって財産だからでしょう。 なぜ財産なのか、その理由を掘り下げてみると、大きく2つの理由があげられるのではないでしょうか。

  • 守りの観点からみれば、エンジニアが辞めてしまったら企業は収益をあげられなくなるから。
  • 攻めの観点から見れば、企業の成長、さらなる事業展開をしたいから。

この2つの企業の思いをかなえたいならば、どちらか一方を意識した活動だけでは足りなさそうです。

2.よくある施策をするときに気をつけたいこと。

2-1.飲み会・スポーツフェスタ・社員旅行などの娯楽的要素の強いイベント

よくある施策のひとつは飲み会など、社員同士のコミュニケーションをとる機会をつくることです。コミュニケーションをとる機会を作ること自体はとてもいいことだと思います。特にエンジニアの不安が募るタイミングに開催するのは効果的です。例えば、一定期間、研修など同じ時間を共に過ごし、それぞれ客先へ配属になって間もないころです。 ホームシックなタイミングで開催することはエンジニアにとっても安心感を得ることができてプラスになり ます。 逆を考えると、エンジニアが客先に慣れてきたころ、自分の生活ペースもできてきたころだと、あえて時間を 作らねばならず、あまりに頻繁な開催だと逆に面倒に思われマイナスになります。 さらにコロナ禍でこれらイベントを頻繁に開催することは、一般的に理解も得られず、もはや逆効果ですね。

2-2.勉強会やセミナーなど、知識をつけるためのイベント

向上心の高いエンジニアにとって、自分の方向性のあった学びの場を会社が用意してくれることはプラスにとってもらいやすいです。 ただ難しいのが、内容やその質やレベルがエンジニアにとって十分なものでない場合、あまりプラスにはとらえてもらえません。 また一人でじっくり学びたいという人には、複数人でやることは好まないかもしれません。
なので、必ずしも勉強会やセミナーが『帰属意識』につながるとは言えないというのが残念なところです。 複数種類の質の高いセミナーをどれでも選べて、いつでも好きな時に受講できるようなものならエンジニアにとってもプラスになると思います。
そうした環境を整えるには、企業がどこまで工数をかけることができるかによって左右されると言えそうです。よくある施策2つのイベントは、ポイントを押さえエンジニアにとってメリットと感じてもらえるような配慮が必要です。

3.『帰属意識』とはそもそもどういった意識のことなのか?

よくある2つの施策でもって、仮に社員同士や運営側とエンジニアがコミュニケーションをワイワイとって仲良くなったとします。
とりあえず居心地よく、辞めずに続けてくれるエンジニアもいるかもしれません。収益を落とすことにはつながらないので企業が求めることのひとつはミッションクリアと言えます。 ただそれだけでは企業が望むところの『帰属意識』はまだ満たせていないのです。
会社が収益を落とすことなく、さらに成長し続けることで、社員とその家族が安心して暮らせることにつながるから、エンジニアに続けてもらいたい。
そのための『帰属意識』をエンジニアに持ってもらうことをわたしたち企業は望んでいます。
この会社のために何かしよう、それが自分の生活や人生を豊かにすることにつながると思ってもらうことが大切です。
それは、ただコミュニケーションをワイワイとることでは実現できないのです。

4.人の心がひとつになる瞬間を作る。

『何か同じコトやモノを応援する』ことで目に見えない絆が生まれる瞬間を 皆さんも経験されたことがあると思います。例えば、オリンピックやスポーツ観戦がわかりやすい例であげることができます。種目は何でもいいですが、特にその種目に個人的に興味がなかったとしても、日本人選手が世界相手に頑張っていたら、多くの日本人は『ニッポンがんばれ!』って思ってますね。どんなに日本の税金の使われ方や制度に不満があっても、その時は日本を応援しています。そして、日本人選手が勝ったり、難しい技が決まったりしたときは、自分がやったことではなくとも、感動・喜び・誇らしい気持ちに包まれたりするものです。そうした気持ちを知らない人同士でも分かち合う瞬間ってありますよね。それは普段はあまり誇張しなくとも、場所は違えど小さい時から何かしら同じ日本のルールの中で暮らしているから、ナショナリズムが芽生え、日本が頑張ったとき、心がひとつになる瞬間があるのだと思います。この場合、人々の中では『日本』というグループに属しているという意識が働いています。
これを企業の中に置き換えて考えてみます。
普段は常駐先の客先で、本来所属している会社の社員として、企業名を名乗っていなかったとしても、その企業の社員として何か同じ理念やビジョンのもとで何かに取り組むことで、 相互の繋がりを作ることができれば、自然と『企業』というグループに属しているという意識が働きます。

5.具体的にどんな取り組みをしていけばいいのか?

例えば、『アスリート社員』を会社を挙げて応援する取り組みもいいですね。スポーツ以外にも、何か世界的に大会があるようなものだと『日本』というグループ意識も働き心が一つになる瞬間が作りやすくなり、おすすめです。
そのほか、小さな単位のチームをたくさん作り、同じことを推進する環境づくりも大切です。 常駐先でもエンジニア1人より、複数のチームで参画することができると、同じ目的に向かって苦楽を共にします。
また、社内の課題を解決したいときも、エンジニアをメインとしたチームを作ります。どうしたら改善できるかディスカッションを繰り返してもらいます。時にうまくいかない時もありながら、なんだかんだと同じ目的の達成のために取り組むことで自然と『チーム』というグループ意識が生まれます。 そうすることで、ふとした時に心が一つになる瞬間がやってきます。

6.グッとくる企業体質・理念作りが意味を成すときがある。

寝ているとき以外の一日の大半を、多くの人たちが仕事に充てています。 フルタイムで働くエンジニアたちが仕事をしている時間が一日の大半を占めている場合、仕事はその人の人生とも言っても過言ではないと思います。 だからこそ、どんな仕事であれ、誇りを持っているかどうかは、究極、人生に誇りをもてるかどうかにつながるといっても過言ではないかもしれません。 そんな人の時間の大半を占める『仕事』をしていると、苦い思いをすることもあり、『なんでこんな思いまでしてやってるんだ?』と思うこともあります。お金・生活・家族・自分自身の成長など、理由は人によって様々です。本来、それを実現させるためなら会社はどこでもいいのです。 同じお金・生活・家族・自分自身の成長が見込める企業があったとしたら、次にエンジニアは何を考えるでし ょうか。
独立を考える人もいるでしょう。 かたやどこか企業に属していたいと考える人であれば、ともに働く仲間との関係性を含めた企業体質・理念を 見比べ、自分に合う方を選ぶでしょう。
このタイミングでグッとくる理念を掲げる意味がなされます。一緒に働いてくれるエンジニア・社員を大切にできる会社には『帰属意識』が根付き、残っていくのです。

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