#069 設計変更、大学教授が事前チェック!

カテゴリ
建設企業向けメールマガジン 
タグ

株式会社ライズ

B!
2025年5月8日(木)配信


国土交通省が、工事の設計変更について「第三者」を入れてチェックする事に
したみたいですね。


「設計変更過程の透明性を確保するため、変更前に国交省と業者以外の第三者に
適正性をチェックさせる仕組み」を今年度(2025年度)導入するそうです。


ただこれ、全ての工事が対象になる訳じゃなくて、
規模や増額が大きな工事で工事区分や場所の追加を伴うケースに限ってるみたいです。


具体的には、
・変更で請負代金が当初額の2倍以上となる場合
・トンネル工事に橋台工事を付加するような工事区分の追加がある場合
・工事場所に隣接地などが追加される場合
などのようですね。


で、「第三者」とは誰なのかですが、大学教授・弁護士などの学識者や、
建設業協会の会長・工事の専門家など有識者がそれにあたるそうです。


第三者が必ず複数人で意見聴取し設計変更をチェックするみたいですが、
その方法は「委員会形式」や「個別ヒアリング」などで、
意見聴取の結果は変更内容とともにインターネットで公表するとのこと。


なにか、大層な話になる感じですね。(笑)
これ、どんな理由でこうなったかといえば、まあ要するに公共事業費が膨らんだからです。


2024年の国会審議で、「公共事業の全体事業費と個別工事の大幅な増額変更」が話に挙がり、
「第三者がチェックする仕組みを導入するよう」衆参両院の国土交通委員会で決議されたことが背景にあります。


でもまあ、どうでしょうね、当然ながら第三者のチェックというか精査は「変更前」にやる訳なので、
施工会社としては「工事が止まるんじゃないか」って普通に思いますよね。


そうじゃなくても(一般論としてですが)役所の設計変更は時間がかかるもんです。


国交省は、
「進行中の工事が滞るなどの影響は避ける必要がある」
「これで業者に負担がかかることは想定していない」


と言ってるようですが、第三者としては色んな資料を確認して結論を出したいでしょうし、
ある程度時間もかけたいでしょうから、施工業者側が資料作成で手間をくったり、
工事が止まったりとか、悪影響が出ないといいですが・・・。


公共事業費が規律なく膨らむのを防ぐ目的で第三者を入れて精査ってのは理解できますが、
果たして施工に支障をきたす事はないのか、ちょっと心配になりますね。


建設企業向け ✉️ メールマガジンは、
建設の時事ネタを中心にニッチな情報をお届けしています。

以下フォームよりお申し込みいただければ、
ほぼ隔週で最新のメールマガジンをお送りします。

▶ https://www.rise-jms.jp/mailmagazine_form.html

関連記事

#073 「下請け」って言葉は消える!

2025年7月15日(火)配信来年2026年に下請法が改正されますが、皆さんご存じでしょうか?下請法の正式名称は「下請代金支払遅延等防止法」。中小零細企業や個人事業主が、大手企業や規模の大きな企業の仕...

#072 ゼネコンは初任給の引き上げ合戦!

2025年6月18日(水)配信中堅ゼネコンの淺沼組が、今年4入社の大卒初任給を30万円に引き上げたというニュースがありました。外勤者ということなので施工管理職に限定したようですが、前年の27万2000...

#071 若者を採用するならエージェント!

2025年6月3日(火)配信いま、就職や転職をする人の多くが「エージェント」を使っていることを知ってますか?まずはこちらのデータをご覧ください。▶仕事探しはエージェントの時代https://www.r...

#070 残業上限「緩和」の声ひろがる!

2025年5月20日(火)配信群馬県建設業協会が、会員企業のアンケート結果を受け「建設業の残業上限の緩和」を求めていると以前書きましたが、その声が広まっているようです。3月14日の衆院国土交通委員会で...

#068 建設業の「口頭契約」トラブル多いです!

2025年4月23日(水)配信建設業は、文書を交わさない「口頭契約」が未だ多いようですね。軽微で急ぎなものはともかく、そこそこ金額が大きくなっても口頭契約で済ませるさまは、他業界から見れば違和感しかな...

#067 職人の賃金は国が確認します!

2025年4月9日(水)配信国土交通省が、建設業で働く職人の賃金を直接確認する作業を始めるみたいですね。国交省は職人の賃金の「見える化」をするために、今年度(2025年度)各地方整備局で試行工事を始め...